弁理士試験の備忘録【意匠法・短答】

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弁理士試験の備忘録【意匠法・短答】

逐条

3①柱 工業上利用することができない意匠

・意匠法上の「意匠」を構成しないもの(=not物形視美)

・意匠が具体的でないもの(例えば6③違反「材質・大きさがわからんから意匠を認識することができない」などがこれに当てはまります。)

3①3 新規性

3①33②
需要者(取引者含む)当業者

意匠法における類否判断について!!!!

〈あ〉全体VS公知

  1. 物品の用途・機能
  2. 物品の形状

〈い〉部分VS公知

  1. 物品の用途・機能
  2. 受けようとする部分の用途・機能
  3. 受けようとする部分の位置・大きさ・範囲がありふれている
  4. 受けようとする部分の形状

〈う〉全体VS全体

〈あ〉全体VS公知と同じ

〈え〉部分VS部分

  1. 物品の用途・機能
  2. 受けようとする部分の用途・機能
  3. 受けようとする部分の位置・大きさ・範囲がありふれている
  4. 受けようとする部分の形状

〈お〉全体VS部分

  1. 物品の用途・機能
  2. 全体意匠の用途・機能と受けようとする部分の用途・機能
  3. 受けようとする部分の位置・大きさ・範囲がありふれた
  4. 全体意匠の形状と受けようとする部分の形状

3①の類否判断は、『VS公知』

3①の類否判断は、『VS公知』なので、

  • 〈あ〉or〈い〉
  • 重畳的公知(自転車が公知ならばハンドルが公知となる)
  • 破線は実線と思え(破線部分の公知だから)

まあ3①って例えば公報発行で公知になったことを考えれば良いから、重畳的公知破線は実線と思えを考えないといけないんやろうな。常識的に考えて。

3-2の類否判断

パリ優先権の主張を伴う場合は第一国出願が基準となる。なお、引例は日本への出願であるBである。

秘密意匠の場合、引例は20④公報であって、20③~20④期間は待ち通知がくる。この話聴くといつも神経衰弱みたいなのを思い出すんよな。待ち通知が来た側の気持ちになって、あああ!!!引例意匠どんなんなんやろ!!?みたいな。

破線は実線と思えは3-2にも適用です!

3-2が適用されるか否か

後願\先願全体部分部品組物
全体××
部分×
部品×
組物×××
N先生言ってたけど、部品はこの中で”最小”らしい。それを踏まえるとよくわかる。×だろそりゃ。

全体VS全体で△になってるのは、例えば鍋VS鍋で、先願の鍋は掴むところがついてるけど、後願はついてないみたいなやつ。

組物VS組物で△になってるのは、先願の組物が物品3つからなるやつで、後願の組物が物品2つからなるやつ。

3の2 意匠登録要件 一部同一

公報は、20③or66③

先願がパリ優の主張を伴う場合は、第一国出願を基準とする(∵パリ4(B))。なお、引例となるのは第二国出願である日本の出願(=先願)です。

部分意匠同士の場合の取り扱いは、先願は点線も実線扱いとして考える。一方で、後願は点線のみで考えるというルールになっている。

日前に出願はその通りなのだが、後に公開というか、同日を含むというところが難しい。つまり、20③公報発行と同日に後願Bが出願された場合、後願Bは3の2で拒絶となる(審査基準)。

なお、3の2の一部の類否判断は

①受けようとする部分の用途・機能 ②受けようとする部分の形状

9の2 登録後に要旨変更がわかった場合

繰り下がりなんやけど、甲が意匠権者、乙が第三者(被疑侵害者1)、丙が第三者(被疑侵害者2)の場合、乙は侵害訴訟において、甲に対して「要旨変更だから繰り下がります。従いまして、実施・準備を『以前』にしていたこととなり、先使用の抗弁ができます!」と主張するとする。この主張が認容されたとしても、これはあくまで相対効であり、絶対効ではないので、丙が訴えられて侵害訴訟するときは改めて「要旨変更だから繰り下がります。従いまして、実施・準備を『以前』にしていたこととなり、先使用の抗弁ができます!」と主張する必要あり。

なお、この繰り下がりは裁判の中でのみ有効なので、実際の出願日が繰り下がるわけではない。特許庁が出願日を書き換えるなどは行わない。

ちなみに、繰り下り制度を導入した理由としては、意匠法に訂正制度がないからである。訂正の余地を与えず、審査官による過誤登録により何ら救済措置を与えないとすれば意匠権者にとって酷なのである。

10 関連意匠

パリゆを伴う場合、出願日が同一であるか否かの判断は第一国出願を基準とする。これは本意匠も関連意匠もそう。

10①:本意匠に類似する意匠は関連意匠として出願できるよ。

10④:関連意匠に類似する意匠はその関連意匠を本意匠として関連意匠出願できるよ。

10⑥:本関設定すべ同同

過去問H20-24-(ハ)(短レボP.226)

関連意匠の意匠登録を受けた意匠が本意匠に類似しないものであることを理由としてその関連意匠の意匠登録出願について無効審判請求可能である。 答 ×

14 開示

意当裁利に開示する。 当…審査段階の話。 利…警告を受けた者

17の2 補正却下

要旨変更とは

①同一の範囲を超えて変更 ②当初不明確を明確 ③受けようとする範囲の変更

※①について「その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて当然に導き出すことができる同一の範囲を超えて変更する」

①~③に鑑みるに、意匠の補正とは特許のように自由ではなくほとんど何もできないのである。あくまで7・8・8の2の違法な出願の救済が意味合いとして大きい。

3項:査定不可、4項:審査中止

なんで補正却下決定不服審判請求されたら審査中止なんやろ?と疑問やったが、例えば補正前がイで補正後がイ’であったとき、補正却下をされて、補正却下決定不服審判請求されると、その帰趨(=審決)によって、イになるかイ’になるかが決まる。どっちになるか決まってからじゃないと査定できないもんな。

17の3 新出願

17の4で遠隔不便の地の3月に対する延長が認められている。

ところで、新規性喪失の例外は新出願をしたとしてもできるか?原則できないわな。遡及効やから。やけど、4①の方はできるからな!4③書面出す必要がないから。

20 公報

秘密意匠の場合、20③のうち願図の内容は秘密期間経過まで不掲載なので、20③公報には「意匠に係る物品」は載りません。

23 意匠権の効力

部分意匠の意匠権は実施権ではなく単なる排他権である。もし実施権を取りたいなら全体か部品で取れ。実施権ではないというのは、部分意匠の意匠権が登録されて権者になったとしても、じゃあ「部分意匠と同一」って何ですか?という問題が生じる。ハンドルの部分意匠で登録されて、第三者がハンドルを実施したとしてもそれは同一の実施とはならないのである。

24 登録意匠の範囲

願書・図面に基づいて…。特許法の70条みたいなやつ。

類似範囲について②で語っているが、需要者の視覚を通じて…の需要者は、需+取である。

25 判定

技術的範囲
類似範囲
効力

書の却下決定に対しては不服申し立て可能。

26 利用・抵触

『日前利用・日前抵触できない』の話。

利用抵触
①登録意匠特・実・意特・実・商・著
②登録意匠と類似の意匠特・実・意得・実・意・商・著

参照であるが、商標の場合、先後願関係なくケリアイになるが、意匠の場合でかつ同日の場合、甲も乙も被ってるところ実施可。無論、先後願あれば先願優位の原則。

意VS特の抵触は「技術的範囲に属する場合は抵触」で、意VS商の抵触は「物品と商品が同一類似で、かつ商標的使用がされている場合は抵触」。

29の2 先願拒絶確定出願の通常実施権

1号の『その意匠』の『その』は後願をやっぱり指しているらしい。何で先願は3①で拒絶される運命なのに、全く同じのを後願で出したら後願は登録されるんだろうと疑問だったが、あんまり深入りするなとのこと。

類似の意匠の方で普通に理解しておけば十分とのこと。ちなみに『出願した意匠』の通常実施権がもらえるだけで類似範囲はムリ。

33 自己実施の裁定

裁定請求は意or専。関係ないけど、商標権に裁定制度ないからね!(Trips21条)

37 差止の特例

秘密意匠の場合は、『20③書面であって「長官の証明を受けたもの」』で警告。

37が差止ということは38は????間接侵害でしょ。

41 無効の抗弁

無効の抗弁により、裁判所が採用して判決を出しても対世効はない。

47 補正却下決定不服審判

延長・不責追完あり。

48 無効審判請求

意匠法の無効審判請求人適格は原則、何人。お家騒動(共・冒)のみ意匠登録を受ける権利を有する者。

利害関係人何人何人利害関係人

50 補正却下決定後における読替準用

審査段階ならば、

補正却下決定不服審判の請求or3月以内の新出願(17の3)であるが、

拒絶査定不服審判段階ならば、

補正却下決定→30日以内の新出願(50)、決定取消訴訟を高裁に提起(50)

ところで、補正却下決定不服審判の請求は固有必要的共同訴訟か?類似必要的共同訴訟か?答えは固有必要的共同訴訟です。拒絶査定不服審判などと同じく、共同mustです。

60の3~ ジュネーブ特例

60の7 国際意匠登録出願の新規性喪失例外

読替で、「出願から30日以内」→「国際公表があった日経産省令で定める期間内(30日以内)」

ちなみに国際特許出願は、国内処理基準時の属する日後30日以内。

60の24 補正

この補正は方式補正と実体補正が混じってる条文。どちらもこれが根拠条文。実体補正については「審判」=「拒絶査定不服審判」と読む。登録される前の補正だからね。

補正分割
意匠さはんさいさはんさい
商標さいはんさいさはんさいそ係属中かつ手数料
意匠に異議立てってないしね。

66 公報

流れは、9②後段拒絶→66③後段公報。

要するに、出願Aと出願Bのうち、出願Aが秘密意匠なら66③後段により、期間終了までは願図の内容は不掲載となる(66③後段)。

67 料金

秘密請求する際に支払うのは「手数料」です。

この記事を書いた人

人生に惑うアラサー。このままでええんか?と一念発起。本屋で知財検定と出会い2級に合格。2021.3.15から弁理士試験の勉強スタート。R4は25点、R5は38点。R6必須論文合格、選択科目落ち。R7最終合格!化学科卒業後に予備校に就職。化学を担当。twitterID : @nishijima1029

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