短答の枝問でわからないところを書いていくので教えてほしいです(´;ω;`)
どうもニシジマです。今日はわりかし小物の質問が多いかと思います。初歩的な話もたくさん含まれておりますが、どうかひとつお手柔らかに…。スペース質問会でよろしくお願いいたします。
2023.3.3ニシジマ
商標法
H24-1-(ロ)【32条の2】参照:短レボ解説 P.139
他人の地域団体商標の商標登録出願前から、その地域団体商標と同一又は類似の商標を同一又は類似の商品又は役務について不正競争の目的でなく使用している者は、その商標が周知となっていなくても、その商標を使用する権利(先使用権)を有する。
【答え】〇
【質問】「日本国内」の要件が抜けていますが、なぜ〇?
【スペースでの話し合い】「いや、誤植ちゃう?だって、日本国内は普通に用件やし、よく問われるとこやで。」
H18-37-2【76条】参照:P.245
第5類「薬剤、医業」を指定商品とする医療法人甲の商標登録出願に関し、審査官から「医業」は第44類に属する役務とされているため、拒絶理由通知された場合、他に拒絶理由がないときは、出願人は第5類「薬剤」、第44類「医業」と補正する手続補正書を提出するだけで商標登録を受けられる。
【答え】×
【質問】解説は「区分の数が変わるから出願手数料要である。」となっていた。小売等役務⇄商品は要旨変更であるが、商品⇄役務の変更は要旨変更とはならないか?
【スペース】要旨変更だそうです。(後日談でフォロワーさんが教えてくださいました!)
H21-20-(二)【4①11】参照:P.54
先願に係る他人の登録商標に類似する商標であって、類似する商品について使用をするものであることのみを理由として拒絶理由通知を受けた出願人が、その他人の登録商標について、商標登録の取消審判(50)を請求した。審決確定し、その他人の商標登録が取り消されたとしても、当該商標登録出願に係る拒絶理由は解消することはない。
【答え】×
【質問】50条審判は請求登録時消滅である→拒絶理由解消はわかる。なので、×なのはわかる。これって実務的には審査官は拒絶理由通知を打った後、50条審判の行く末を見守るまで査定は行わないというイメージが正しいですか。あと、商標法における拒絶理由通知って特許みたいに最初・最後とかじゃなく、普通は「一回」拒絶理由通知きて→補正したが拒絶査定の流れですか。何度も来る?
【スペース】4①11は査定時判断なんよ。だから拒絶理由解消されてたらOKなんよ。あと、特許法54条でもあるように、審査と審判がダブルブッキングしたら審査一旦中止するんよ。それから、意見書提出のタイミングで「あっ50条審判請求して解消しうるから待ってもらえますか?」って書けばええんよ。
特許法
R4-1-(イ) 参照:P. 8
被保佐人は、保佐人の同意を得ることなく、他人が保有する特許権に係る異議申立てについて手続をすることができる。
【答え】×
【質問】この解説は「同意を得て」手続をしないといけないから×となっていたのですが、「他人が」を「自己の」に変えるとそれはそれで〇ですよね?という質問です。つまり、被保佐人や後見監督人のいる法定代理人(=しっかりしてない酔っ払いの大人)が、「僕はしっかりしてないので異議申立てや無効審判などの手続ができませーん。」って言うのを防ぐべく立法された7④を根拠条文とするということです。
【スペース】その通りです。
H23-35-3 参照:P. 9
成年後見人は、成年被後見人に成年後見監督人があるときであっても、相手方が請求した審判についての手続は、成年後見間監督人の同意を得ることなく行うことができる。
【答え】〇
【質問】後見監督人は成年後見人(≒法定代理人)につくことは知っていたが、成年被後見人にも後見監督人がつくことってあるんですか!という枝とはあんまり関係のない質問。えだって、成年後見人もいるのに、成年後見監督人もつけてめちゃくちゃいろんな人に保護されるやん!!って思ったわけです。
【スペース】「成年被後見人に成年後見監督人がある」という表現にひっかかってたかもしれんけど、成年被後見人とは自己判断できにくい、差別的な表現で言うと禁治産者。で、成年後見人はその保護者となる人。この保護者が悪いことをしないように監督するのが、成年後見監督人なのね。だから、成年後見監督人は成年後見人にしかつかないんだけど、成年被後見人のバックに成年後見監督人が目を光らせてますよという意味合いが「成年被後見人に成年後見監督人がある」なんよ。
H21-8-2 参照:P.121
特許出願について最後の拒絶理由通知を受け、指定された期間内に補正をした場合において、その補正が、いわゆる新規事項を追加するものでなく、Clの減縮を目的とするものであっても、当該補正が17の2⑥準用する同法126⑦の要件(独立特許要件)を満たすか否かにかかわらず却下されることがある。
【答え】〇
【質問】「補正がシフト補正であれば補正却下されることがある。」とのこと。それはわかるが、減縮した結果シフト補正になるってどういうのか具体的に教えてほしい。イメージできない。
【スペース】例えば、車と薬というクレームがあって、車を減縮するとするね。そしたら、車を減縮するわけだから、減縮後のクレームは薬となる。減縮前のクレームの最初に書かれている車を審査官は見るわけだから、車から薬に変更された(シフト補正)とみなすわけです。
H27-14-3 参照P.124
外国語書面出願の出願人が拒絶査定不服審判と同時に誤訳訂正書を提出してしたその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書の補正が、外国語書面に記載した事項の範囲内においてされていないものと認められたときは、審査官は、そのことを理由としてその補正を却下する場合がある。
【答え】×
【質問】原文超えは補正却下ではなく拒絶の対象である(49⑥)。そうそう、それはわかってる。補正却下は最後・最初+50の2・拒査不服と同時で17-2③~⑥違反やもんね。めっちゃ基本的な質問やけど、外国語書面出願や外国語特許出願における、原文超えと新規事項追加の違いは、
- 原文超え=原文以上の内容を翻訳文に追加すること
- 新規事項追加=補正前の翻訳文以上原文以下の間で翻訳文に追加すること(であり、これは拒絶理由から除外されている)
という認識でおk?
【スペース】まあそういうこと。てか、これ後日談で解説を読んでたらそういう風に書いてある奴あったわ。なんか。
H28-8-(ハ) P. 125
最後の拒絶理由通知に対してした請求の範囲についての補正が、当該補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの要件にのみ違反するとき、審査官は、そのことを理由として、その補正後の特許出願について拒絶査定しなければならない。
【答え】×
【質問】最後・最初+50の2・拒不と同時の補正が17-2③~⑥違反→で補正却下だから、これは補正却下しなければならないので×なんでしょ。それはわかってる。そうなんだけど、独立特許要件について聞きたいのだが、独立特許要件とは「補正後の内容が独立して29、29-2、39、32、36④Ⅰ、36⑥Ⅰ~Ⅲを満たしておかなければならない」という要件ですよね。
であれば、例えばなのですが、独立特許要件を満たさないとは補正した結果32条違反になるような状況などを指すということですよね?補正をして公序良俗違反になった場合は拒絶理由があるから拒絶されるのかと少し考えたのですが、(いや、普通に考えれば補正却下なのはわかる。)
要するに独立特許要件とは単に29、29-2、39、32、36④Ⅰ、36⑥Ⅰ~Ⅲの集合という意味ではなく、「補正をした場合に、補正後の状態で満たしておくべき要件の集合」という意味合いなので、その集合(29、29-2、39、32、36④Ⅰ、36⑥Ⅰ~Ⅲ)のいずれかの違反をしていた時は
一般的な拒絶理由に照らし合わせるのではなく、独立特許要件違反と見るのが正しいということなんですかね。なんか、書いていて自己解決してきたわ。Apologize。
【スペース】長い…。結論からすると、独立特許要件とは補正後にそういうこと(29,29-2…)が起きてるようなそんな補正は却下しますよというただそれだけの話。これは青本に書いてないけど、ユーザーフレンドリーという側面から考えるとわかりやすい。つまりは、独立特許要件違反というのは、出願人が補正をした結果、例えば32条違反みたいなことになるという状況を示す。この場合、このまま拒絶査定をしてもよいところなのだが、そうすると、拒絶理由が32条も追加された状態での拒絶査定となり、なかなか拒絶査定不服審判で覆すことは難しい。なので、独立特許要件の違反をするようなアホな違反をした場合において、審査官が「もうしゃあーないなあ。そんなアホな補正なかったことにしてやるわ。はいはい、補正却下。」という風にして、補正前の状態(32条違反でない状態)にまで戻してくれるという温情であると。まあ、青本は審査の迅速化らしいです。
R2-16-5 【100条】参照P. 21
丙は、特許イの方法を用いて外国で製品Bを製造し、丁は、業として、当該製品Bを輸入して日本国内の顧客に販売している場合、その特許権者甲は、丁に対して当該製品Bの輸入指し止めを請求できない。
【答え】×
【質問】これって丙が作ってるからダメ?もし甲が作っていて、丁に「日本には輸入せんでくださいよ~!」って合意をとっていたらどうなる?BBSより真正商品の並行輸入で非侵害?あっでも、生産方法じゃないから結果物にまで特許権の効力及ばないか。すんません。色々議論しましょう。ごめん。
【スペース】丙は何ら悪い人ではない。なぜならば、甲の特許権はあくまで日本でとられたものであり、属地主義の観点から考えれば当然である。また、丙が製造したBであるが、これは真正商品ではない。これよく考えたらその通りなんだけど、例えば、ニシジマが日本でボールペンの特許とるじゃん。アメリカで誰か知らない第三者が同じボールペンを作ったとして、これは真正商品なんか?って話なんよ。フレッドペリーじゃないけど、出所が違うというか常識的に考えてニシジマ怒るやろ。という話で。
H18-51-(ホ) 参照P.117
特許権者が訂正審判を請求するとき、承諾を要する者は、専その他その特許に関し登録した権利を有する者のみである。
【答え】×
【質問】登録権利者って=質権者だと思ってたんだけど違うの!?商標だと、通も登録されるから通常使用権者は登録権利者?だけど、特許だと通常実施権者は登録権利者ではない?
【スペース】誤植じゃね?という話だったんだが、もう深入りしないことにした。いやどうなんやろうね。テキストが改正に追いついてなかった?説?今年の講座を取ったんだけどね。R3改正って間に合わんのか?とにかく、専+質でええよ。条文もそうなってるし。
H22-26-3 参照 P.114
無効審判において、特許請求の範囲の減縮を目的として訂正請求をする場合、特許法の規定上、その訂正は願書に最初に添付しためせずに記載した事項の範囲内で行わなければならない。
【答え】×(∵「最初」ではない。)
【質問】最初のめせずor直前のめせずの問題であろう。誤訳訂正であれば最初でOKだが、減縮であれば直前であると思う。直前という表現はあまりしないので、解説では「減縮を目的とした訂正は願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしなければならず」と書いている。「願書に添付した明細書等」というのは直前というニュアンスを表しているのか。
【スペース】その通り。願書に添付した明細書=直前というニュアンスである。直前というニュアンス自体が不明かと思うが、多分これはM先生の言い回しです。要するに現状のめせずを指すということです。だって特許庁は願書に添付した明細書等って今のめせずを見るでしょ?という話で…。何か添付したとか言われたら、添付したこと自体は最初やもんね。言い回しよね。こういうの。要するにあれよ。「面はなめらか=摩擦係数0」と考えるやつです。
H26-21-(ロ) P. 116
誤訳の訂正を目的とするめせずの訂正は願書に添付しためせずに記載した事項の範囲内においてしなければならない。
【答え】×
【質問】解説では「誤訳の訂正は願書に最初に添付しためせずの範囲内にしなければならないので×」と書いていた。正確には、「誤記の訂正ならば最初、『誤訳』の訂正であれば原文(外国語書面)の範囲内」であるのが正しいのではないか。少々いちゃもんをつけているようで申し訳ないが、誤記と誤訳についての問題が出た場合を想定してのことであるのでごめんなさい。
【スペース】その通り。ニシジマの疑問は的を射ているとのこと。L体系別でニシジマの通り書いているとのこと(後日談でフォロワーさんから)
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