商標法3条1項6号と商標法26条1項6号について【第一巨峰事件】

弁理士試験

3条1項6号について

お疲れ様です。ニシジマです。ようやく少しずつ元のペースで勉強をするようになりかけてきました。あと1週間くらいすれば多分平日3時間くらい、休日5〜6時間くらいは勉強に費やす気力が出そうです。

四法対照と青本広げてがっつりやる気も今夜はもうないので、ダイジェスト的に3条1項6号についての話をしたいと思う。最初に言うが間違ってたらごめん。弁理士試験受かったらリライトするわ。

3条1項6号は「需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることが認識することができない商標は商標登録を受けられません。」ということなんですが、これってどういう意味?と思って青本を読んだり、ネット検索をしたり色々さっきまでしてました。

結論から言うと、

需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることが認識することができない商標というのは、ある商標Aが付された商品が一定の出所から出たものなのかどうか私たち消費者が判断できない商標ということですね。

つまり、登録されているちゃんとした商標の場合、消費者は「この商標が付された商品っていうことは前購入したあの商品と同じ商品なんだな。」と判断し、安心して購入することができます(これが自他商品識別力があるということです。)。

しかし、この判断ができない商標の場合、「前購入したあの商品と同じ商品だな。」という判断ができません。つまり、そんな商標は商標としての価値がないため、登録ができません(3条1項6号違反)。

需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることが認識できる商標登録できる商標自他商品識別力がある商標一定の出所から出てると需要者が認識することができる商標

裏を返せば、

需要者が何人かの業務に係る商品役務であることが認識できない商標登録できない商標自他商品識別力がない商標一定の出所から出てると需要者が認識することができない商標

ということになるわけです。

3条1項6号について示す具体的事例

(商標,商品)が(平成,衣服)という商標が3条1項6号で拒絶されたというものです。これはつまり、平成と首のところについているタグに付された衣服を見た時に、「平成の時代に作られた製品なのかな。」と認識するだけで、「 “平成”とタグに書かれているんだからある一定の出所から出ている商品なんだろうなあ。」とは思わないという(=自他商品識別力なし)わけです。だから、商標としての価値がなく、3条1項6号で拒絶とされています。

6号は1号から5号までの総括事項であり、1号から5号は6号の例示である

青本によると、1号から5号までは6号の例示であるとのこと。つまり、例えば1号の商品の普通名称を普通に用いる方法で表示する標章のみからなる商標というのも、6号と同じく、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標であり、その一例であるということなのですね。

まあ確かに(商標,商品)=(apple,りんご)という商標があって、スーパーの果物コーナーに、appleと書かれたシールが貼ってあるりんごを見て、「ああ、これはappleというある一定の出所(例えば、appleという会社)が作ったりんごだな。」とは思わないという話ですよね。

つまり、こんな商標は需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標であって、登録されるべきでない商標(3条1項1号)だということですね。

ここまで踏まえて26条1項6号について

26条1項6号は需要者が何人かの業務に係る商品・役務と認識できる態様により使用されていない商標は非侵害というものです。商標権者でない第三者が「商標として」使用しているわけじゃないなら非侵害という意味です(商標として使用していたらまんま使ってるんやからそりゃ侵害です。)。

趣旨は青本によると、商標的使用じゃなければ商標を使ったとしても非侵害ということなのですが、まあ趣旨というより、同じことを言ってる感じですよね。てか何回も同じこと言ってしまってるな…。

第一巨峰事件について

(包装容器,巨峰)という商標を持ってる原告Aがいました。あるBさん(被告B)が、巨峰を出荷するために包装容器にでかでかと「巨峰」と書いてたところ、Aに商標侵害で訴えられたという話です。

このBの行為は2条3項1号の「商品または商品の包装に標章を付す行為」に該当するので、商標の使用にあたり、形式的にはAの商標権の侵害となります。しかし、Bは商標として段ボールの出所を示すために「巨峰」と書いたわけではなく、単に出荷するために中身が巨峰であることを示すために「巨峰」と書いたわけです。だから、Bの行為は商標的使用ではない(=ダンボールの出所を示すために書いたわけじゃない)ので、26条1項6号により、非侵害となった例です。

もし、Bが段ボールの出所がAから流出したものであると認識させるために巨峰と書いていたのならば商標権の侵害になるのでしょうね…。

この記事を書いた人

人生に惑うアラサー。このままでええんか?と一念発起。本屋で知財検定と出会い2級に合格。2021.3.15から弁理士試験の勉強スタート。R4は25点、R5は38点。R6必須論文合格、選択科目落ち。R7最終合格!化学科卒業後に予備校に就職。化学を担当。twitterID : @nishijima1029

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