【特許法74条の移転請求の趣旨について考える】真の権利者よ!冒認出願していただいたことに感謝しろ!

弁理士試験

真の権利者はそんなに偉いのか?

冒認出願人の出願した「気概」を軽んじていないだろうか

特許法74条移転請求は平成23年改正により新設された条文です。そして、その経緯(趣旨)は、

  1. 冒認者による特許権を無効にしたところで真の権利者が特許権者になれるわけじゃなかった
  2. 意に反する公知といえど、新規性喪失の例外を適用できるのは公知日から1年以内に限られていた
  3. 裁判例による請求は、自ら出願していなければ認められないこともあった

とのことです。今回は、この「3.」について、少し語っていこうかと思います。

ニシジマ(@nishijima1029)はお風呂の中で趣旨がまとめられた本を読みながら思いました。

「自ら出願していないと真の権利者への移転は認められなかった?なぜ?」

だって、真の権利者は発明者であり、自ら発明したからこそ、本来は特許権者になれるわけですよね。冒認出願人というのは単なる盗人なわけじゃないですか。盗人が勝手に出願して特許権者になったんだから、自分(真の権利者)が出願してようとしてまいと、特許を受ける権利は真の権利者にあるのだから、取り返せるのが筋じゃない?と思ってしまいますよね。

私も最初はこの「3.」の趣旨を読んでそのように思っていました。しかし、風呂の中で水中に口をつけてブクブクブクブクとしながら考えていると、裁判における裁判官の判断も納得がいきました。それについて解説をします。

冒認出願をしてくれたから今日がある

冒認出願をしていなかったら、そもそも特許権にすらならずに終わっていたという話なんですよ。それをですね、冒認出願人がわざわざお金を払って弁理士に頼んで特許出願をしてもらってようやく権利化まで運ぶという涙ぐましい努力と気概があったからこそ立派に特許権になったわけです。

このことを真の権利者は忘れていないだろうか?ということなんですね。真の権利者は確かに発明をしたところまでは偉いし、すごいと思う。でも、それを実際に権利化するまでの気概(や金銭)はなかったからこそ放置をしていたんじゃないか?そのくせに冒認出願人が勝手に権利化した特許権が何か今頃良い感じの権利になってきたからって今更「俺が発明したんや!返せ!!」というのはあまりに酷すぎるという話なのです。

つまり、真の権利者は自分が発明者であることを良いことに、冒認者の出願しようとした「気概」までも横取りしているということなんですね。

幼稚園に通っていたあの頃、僕はマキちゃんに大人になったら結婚しようと約束をした

幼稚園に通っていた、平成一桁のあの夏、僕は公園の木の下でマキちゃんと約束をした。

「大人になったら結婚しようね!」

マキちゃんは言った。

「うん、ニシジマ!結婚しよう!」

そう言って、月日は経ち、僕たちは小学校も別になり、互いに別々の道を歩んだ。そして、30歳を過ぎたある日、僕は風の噂でマキちゃんが假屋崎という男と結婚したことを知る。

ニシジマ「な、なぜだ!?僕はあの日、公園の下でマキちゃんと結婚の約束をしたのに!!?」

假屋崎という、イケメン商社マンと結婚をしたという報告を聞いて、僕は膝から崩れ落ちた。そして、假屋崎を探し出すことにした。

ニシジマ「くっそぉ…假屋崎め!!!僕のマキちゃんをっ!!」

とうとう僕はマキちゃんの横を歩く、スーツ姿(アルマーニ)の假屋崎を見つけた。

ニシジマ「おい!假屋崎!!俺のマキちゃんを返せ!!」

マキちゃん「誰ですか」

假屋崎「マキ…?誰?」

マキちゃん「知らない」

ニシジマ「ぼぼぼぼぼぼっ!僕は!!!幼稚園のひまわり組で一緒だったニシジマだ!!マキちゃん!!あの日僕は公園で…!!!」

マキちゃん(ドン引き)

そう。時すでに遅しなのである。確かにあの日僕たちは公園の下で結婚の約束をしたんだ。だけど、冒認出願人、假屋崎が”出願”をしたからこそ、假屋崎はマキちゃんとの幸せを掴んだのだ。そして、”出願”をせずに放置していたニシジマがいくら”真の権利者”だからと言って、今更全てが遅いのだ。

真の権利者とはこのくらいヤバいことをしているのである。裁判官の判断を僕は理解した。

マキちゃん、末永くお幸せにT_T 假屋崎さん、ごめんなさいT_T

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