脱北する方法を色々とお伺いしてきました
DMZへ向かう

どうも、ニシジマです。先日、会社を休んで、ふらりと韓国に行ってきました。韓国旅行の一番の目的はDMZ(韓国と北朝鮮の軍事境界線、いわゆる非武装地帯)で、そこにいらっしゃる脱北者(50代の女性)にお会いするためでした。
今日は、脱北の方法、インターネット事情、北朝鮮で暮らしていた頃は日本や韓国のことを先進国だと思っていたかなど色々訊いてきたので、まとめていきます。
どうやって脱北者とお会いできたか

まずは簡単に脱北者とお会いする方法について説明します。大したことはないのですが、DMZツアーに申し込むと、有料オプションプランで、脱北者にお話を伺えるプラン(10分程度)がありました。料金が700円だったので、何の迷いもなく、オプション付きにしました。
こちらのツアーです。サイトはこちらから。

DMZに着いてから様々な韓国と北朝鮮(主に朝鮮戦争)の資料館に連れられて、北朝鮮と韓国が分断された1945年以降の展示や、北朝鮮が韓国側に掘っていた穴(第三トンネル)を巡ったりしていました。
今ちょうど韓国大統領が代わったか何かで、政権交代の微妙なタイミングであるということもあり、基本的に北朝鮮側の風景の撮影は全面禁止という感じでした。一応、ここは撮影していいよ!というところがあり、そこからギリギリ遠くの方に北朝鮮が写っている程度には撮影できました。
では、脱北者にインタビューした内容を以下にまとめていきます!
脱北の費用はいくらかかるか

コロナ前の脱北費用は大体一人当たり100万円だそうです。ちなみに現在は跳ね上がっていて800万円からって感じだそうで、脱北される方もだいぶ減ってしまっているようです。
どうやって100万円を用意するのかを訊いてみたところ、脱北のブローカーに「韓国に着いたら働いて1年以内に返すこと」という内容の念書を書かされるそうです。また、ブローカーは一人というわけではなく、とにかくお金をばらまいていくことで、通報されないように身の安全を図るそうです。
※板門店に向かう道路の写真ですが、今は板門店ツアーはできないようになってるそうです。少し前にアメリカ軍人が、ツアーで北朝鮮側に不法入国したせいで現在はツアー中止になっているそうです。
北朝鮮で暮らしていたときは日本や韓国をどう思っていたか

これは、youtubeなどでもよく取り上げられていて、もはや有名な話ですが、日本の電化製品がなんだかんだで輸入されてくるそうです。例えば炊飯器やら洗濯機やら何やらです。その性能が非常に高いことから、北朝鮮が最も先進的だという教育は受けるものの、日本は技術発展している国であるということは北朝鮮国民中で知れ渡っているそうです。
ちなみに、インターネットは国内専用で、スマホなどでは検閲済みのページのみが閲覧できる状態になっているそうです。
今回、お話をお伺いした脱北者は、1985年に日本と北朝鮮で合作になった映画を観て、それで日本の発展度合いをうっすら気づくことになったとおっしゃっていました。映画のタイトルまでは訊けませんでした。
脱北ルート

脱北ルートは色々あるそうですが(これもyoutubeで取り上げられているので、ここで説明するまでもないですが)、モンゴルのウランバートルに韓国行の航空券を発券してくれる場所があるそうです。そこまで中国を経由してブローカーに連れて行ってもらうとのことでした。
他には、ベトナム、カンボジア、タイなどの韓国大使館まで中国を経由してひたすら歩いていくというパターンもあるそうです。過酷過ぎますね…。
現在は35000人の脱北者が北朝鮮国民を支えている
現在、韓国には脱北者が35000人ほどいらっしゃるそうです。この方たちが、北朝鮮に住む家族に対し、ブローカーを通して資金援助等をするそうです。資金援助をした場合の手数料が大体80%ほどにもなることから、10万円の援助をしたとしても本人には2万円程度しか渡らないという暴利だそうです。
また、脱北者が家族内にいることが間接的にバレることは北朝鮮に住む家族にとって問題はないのか。という質問をしましたが、これは特に問題ないそうです。というのも、脱北者は35000人もいるということと、この脱北者の支援のおかげで何とか北朝鮮の体制が成立している部分もあるから黙認状態だそうです。
しかし、高官が脱北して、資金援助をしている場合は別だそうです。高官は国家機密を知っていますから、資金援助をすることはかなり危険な行為だそうです。なかなかシビアな話です。
今後、北朝鮮と韓国は統一されるか
ツアーガイドの方もおっしゃっていましたが、もう北朝鮮と韓国が統一されることはないだろうと思います。ということでした。また、特に30代以下の世代では、生まれたときから北朝鮮と韓国は別の国だったこともあり、統一ということにピンと来ない部分もあるとのことでした。
太陽政策という韓国が北朝鮮を支援する政策が行われていた1998年から2008年頃、統一の予兆がかなりあったそうですが、今はまた完全に分断された状態になっているとのことです。
北朝鮮と韓国が統一する日は、生きている間には起こらないだろうなと思います。多分。分断されてからもう80年経つんですかね。社会システムも全然違いますし、統一するにしても課題だらけ過ぎますしね。
コメント